11カ国の領事ら来県 防災や水産研究視察
大阪や神戸に駐在する世界各国の総領事らが県内を訪れる「在関西領事団和歌山ツアー」が12日に行われ、11カ国の総領事や領事ら22人が来県し、稲むらの火の館(広川町)や近畿大学水産研究所(白浜町)を訪れ、災害や魚の養殖について施設の担当者から説明を受けた。夕方からは和歌山市七番丁のダイワロイネットホテル和歌山で仁坂吉伸知事主催の懇談会が開かれ、県職員や同大関係者らが参加し、互いに交流を深めた。
外務省大阪分室が主催。日本の伝統文化に対する理解の増進などを目的に10年以上前から年1、2回程度開催している。県内を訪れるのは初めてで、昨年11月に東京都内の外務省飯倉公館で開かれた「外務大臣及び和歌山県知事共催レセプション」での情報交換が大きなきっかけとなった。関西には18カ国の在外公館があり、ツアーには8カ国の総領事が参加した。
総領事らは「稲むらの火の館」を視察した後、田辺市内のホテルで、同研究所が養殖に成功した「近大マグロ」や「近大マダイ」を試食。同研究所の家戸敬太郎白浜実験場長から養殖魚について解説を受けた。食事の後は同実験場で海上いけすや水産養殖種苗センターなどを見学した。
懇談会には約70人が参加。2月に白浜町で開かれた「大使観光フォーラムin白浜」の開催に尽力した県議会観光振興議員連盟の吉井和視会長に外務省の鈴木庸一関西担当大使から感謝状が贈られた。
仁坂知事はあいさつで「和歌山は関西の中でも特別な魅力を持っている。高野・熊野は宗教や階層に関係なく人を受け入れてきた。これを機会に交流をますます深めていきたい」と述べ、就任以降公務での訪問が4回目となる韓国の河泰允駐大阪総領事は同研究所について「マグロだけでなくたくさんの魚が養殖されていて驚いた。韓国でもウナギが値上がりしており、ウナギの養殖技術開発に期待したい。参加して大変良かったと思う」と話していた。