ご当地レスラー熱戦 紀州ぶんだらプロレス
地域を盛り上げようと、和歌山を拠点に設立されたプロレス団体「紀州ぶんだらプロレス」の旗揚げ戦が28日、和歌山市中之島の県立体育館補助館で行われ、新たに誕生したご当地レスラーたちが、道頓堀プロレス(大阪市)からの刺客らと激しい戦いを繰り広げ、会場を熱くした。ピンクリボン運動in和歌山とコラボレーションした「乳がん検診推進チャリティー」として、検診の呼び掛けや募金も展開された。
NPO法人ドリームクリエイター(米谷克己理事長)が主催し、大会の趣旨に賛同した県出身や在住の選手16人とレフェリーが参加。会場にはプロレスファンや親子連れらが詰め掛け、鍛え上げた肉体から繰り出されるレスラーの豪快な技をはじめ、対戦相手を挑発するマイクパフォーマンス、場外乱闘など、真剣勝負の中にも笑いや見せ場がたっぷりのプロレスの醍醐味(だいごみ)を間近で味わった。
全5試合が行われ、ご当地レスラーでは、サブメーンのタッグ戦に紀州隠密部隊「ルチャマスター武丸」(県出身)&「風鴉」(県在住)組が登場し、見事に勝利した。
メーンのタッグ戦は、ご当地レスラーの「真田丸」&「武蔵deBENKEI」組と、有田川町出身で道頓堀プロレスの人気レスラー「空牙」&「ガメラス」組による60分1本勝負となった。
軽量の真田丸はドロップキックやフライングボディーアタックなど華麗な空中技を、武蔵deBENKEIは豪快なラリアットなどを繰り出し、相手を3カウント寸前に追い込む場面を何度か見せたが、タフでパワフルな空牙とガメラスに苦しめられ、最後は空牙が強烈な投げ技から真田丸をフォールし、レフェリー「HARU。」の右手が3度マットを打って決着した。
試合後にマイクを握った空牙は、紀州ぶんだらプロレスの旗揚げを祝福し、自身が故郷・有田川町の観光大使を務める和歌山人であることをアピール。真田丸は敗戦を謝罪し、「試合を見た子どもたちに元気になってもらえるよう、まだまだ強くなっていく」と、空牙へのリベンジを誓った。
試合の間には、ピンクリボン運動in和歌山のメンバー3人がリング上から、30歳以上の女性に乳がんの定期的な検診を呼び掛け、早期発見の重要性を訴えた。小学生がレスラーとふれあう「ちびっこプロレス教室」、ピザ焼きの無料教室なども開かれた。
観戦に訪れた和歌山市の島田和明さん(38)は「和歌山にプロレス団体ができたのが何よりうれしい。空牙と真っ向勝負ができていた真田丸は、これからに期待。定期的に興行してくれたら見に行きたい」と話し、ちびっこプロレス教室に参加した息子の侑和(ゆうと)君(8)も「来て良かった」とにっこり。
米谷理事長(57)は「たくさんお客さんが来てくれてありがたいが、これで満足せず、もっとプロレスを和歌山で浸透させていきたい」と語り、試合は単独ではなく、各地のイベントなどに参加して行いたい考え。「気軽に呼んでもらい、一緒にイベントを盛り上げたい」と話している。問い合わせは米谷理事長(℡090・3674・8790)。