得意の英語で事故対応 警察学校生を表彰

外国人が被害者となる交通事故の現場で英語力を生かして通訳などを務め、適切な対応に功労があったとして、県警は28日、県警察学校初任科生の西原志起(しき)巡査(22)に警務部長賞を授与した。初任科生による同様の功労による受賞は初めて。

県警によると、今月19日深夜、和歌山西署管内で20代のカザフスタン人の女性と友人のガボン人が自転車で並走中、女性が自動車と接触する交通事故が発生。同署で実務研修中だった西原巡査は志願して現場に駆け付け、被害者の通訳をするなどして事故処理に貢献した。

西原巡査は、外国で事故に遭遇した女性が不安を抱いているのではないかと思い、明るく「アーユーOK?」と声を掛け、女性は英語が通じることに安心の表情を見せたという。

西原巡査は人の役に立ち、県民に貢献したいとの願いから警察官を志望。幼い頃から英会話教室に通い、大学2年生の春休みには約2カ月間、オーストラリアでホームステイを経験し、英語力を身に付けた。

表彰式は和歌山市木ノ本の県警察学校校長室で行われ、鳴海武則校長が西原巡査に表彰状を手渡し、たたえた。

西原巡査は「初任科在籍中に外国人対応に当たることができ、大きな自信になりました。外国人が関係する事案も増えているので、今後も語学力を生かせるよう頑張りたい」と決意を語り、県警教養課の鳥前勇次席(52)は、同校が毎月、80分の英語の授業を行っていることを紹介し「外国人といつでも、どこででも対応できる警察官の育成を目指して教養訓練を重ねていく」と話していた。

鳴海校長(手前)から表彰を受ける西原巡査

鳴海校長(手前)から表彰を受ける西原巡査