行革で基金残高確保 28年度県普通会計決算
和歌山県は5日、平成28年度普通会計決算(見込み)の概要を発表した。規模は歳入が5412億3200万円、歳出が5293億8000万円で、いずれも前年度より3・9%減少した。
歳入は、県税が前年度比3・3%減の1036億2600万円、地方交付税は3・0%増の1726億9500万円で、県債は2・2%減の781億7200万円だった。
歳出は、職員数の削減や退職手当の減少などにより、義務的経費が2・0%減の2244億4100万円。政策的経費は、災害復旧事業費が46・7%の減少となったのをはじめ、全体で5・2%減の3049億3900万円。
実質収支は36億8200万円の黒字、実質単年度収支は18億3600万円の黒字だった。
県債残高は143億2800万円増の1兆201億2200万円。県民1人当たりの残高は2万4000円増え103万6000円となっている。発行額は臨時財政対策債(臨財債)の減少により、17億2100万円減の781億7200万円となった。
財政調整、県債管理の両基金の残高は「新行財政改革推進プラン(改定版)」に基づく取り組みにより、218億5400万円を確保している。
各種指標では、財政力を表し、高いほど財源に余裕があるとされる財政力指数が0・327、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は92・5%でいずれも横ばいとなっている。
健全化判断比率(暫定値)では、収入に占める負債返還の割合を示す実質公債費比率が9・5%、財政の健全度を表す将来負担比率は193・9%だった。
県財政課は「財政調整基金と県債管理基金の残高が想定の100億円を大きく上回るなど、行政改革によって財政の持続性と健全性を保つことができた」と話している。