衆議院28日に解散 総選挙へ各党準備加速
安倍晋三首相は25日、28日召集の臨時国会冒頭で衆議院を解散する意向を表明した。再来年秋に予定する消費増税の税収の使途を変更し、少子化対策などに充てると説明。野党側は解散を強く批判しており、森友・加計学園問題や首相の対北朝鮮外交などを追及する構えだ。衆院選は10月10日公示、22日投開票の日程で行われる予定。和歌山県内3小選挙区でも各陣営が急ピッチで準備を進めており、1・2区は現職と新人の3人による戦い、3区は現新の一騎打ちが予想されている。
【1区】
民進党現職の岸本周平氏(61)が4選を目指す。過去2回岸本氏に惜敗し、比例復活となった自民党現職の門博文氏(52)=2期=と、共産党県副委員長で新人の原矢寸久氏(65)を加えた三つどもえの選挙戦となる見通し。
岸本氏は民進党の解党を強く主張し、一時は離党も取り沙汰されたが、最終的に同党からの出馬を表明。離党騒動の影響は未知数だが、岸本氏は「これまで以上に厳しい選挙になる。10~20票差になるかもしれない」と気を引き締める。
門氏は自転車で選挙区を回るなど、与党議員として政権とのパイプをアピールし、悲願の小選挙区での勝利に向け意欲を燃やす。
前回は3区から出馬した原氏は、今回は県都で安倍政権への批判票を狙う。
日本維新の会も候補者擁立を検討し、党県総支部関係者は「突然の総選挙にも対応できる準備はしてきた」と話す。
【2区】
自民党現職の石田真敏氏(65)=6期=に、共に新人で民進党県連副代表の坂田隆徳氏(38)と共産党県常任委員の下村雅洋氏(62)が立候補を予定。
石田氏は財務副大臣などを歴任し、現在は衆院議員運営委員会筆頭理事を務めている。国会中継に登場する機会も多く、陣営は「活動は支持者にしっかり伝わっている」と手応えを示す。
坂田氏は、地域住民との意見交換など地道な活動を重ね、知名度の浸透を図っている。
下村氏は社会保障の充実や林業の再生などを強く訴え、支持拡大を図る。
【3区】
自民党幹事長で現職の二階俊博氏(78)と共産党新人の楠本文郎氏(63)が出馬を予定。
11期連続当選の二階氏は地元で強固な支持基盤を誇っているが、楠本氏も御坊市議を9期34年にわたり務め、豊富な政治経験と同市内に一定の地盤を持つ。
民進党も候補者の擁立を模索しているが、党県連関係者によると「あと一歩のところで決まらない」状況が続いているという。
【比例区】
公明党県本部は前回同様、県内小選挙区には候補者を擁立せず、県内に地盤を持つ比例近畿ブロックの現職・浮島智子氏(54)=2期=の支援に力を入れる。小選挙区の自民党候補の推薦を求められた場合は前向きに検討するとしている。