日本遺産で一首 和歌浦で小中生が和歌学ぶ

 日本遺産に登録された和歌浦の美しさを再発見し、和歌に残すイベント「和歌で考える~和歌浦の古(いにしえ)、そして未来に思いをはせる~」が4日、和歌山県和歌山市の和歌浦周辺で開かれ、小中学生26人が和歌浦にちなんだ和歌を詠んだ。

 海への関心を高め、和歌山の海の大切さを伝えて未来に残してもらうため、「海と日本プロジェクトin和歌山県」が主催。住みます芸人「わんだーらんど」と、和歌山出身のミュージカル女優・柳橋さやかさんが司会を務め、子どもたちは和歌浦の名所を回りながら和歌を考えた。

 和歌の浦観光協会の語り部、堀畑登さんが、和歌浦と和歌の関わりや和歌のルールについて解説。万葉集には和歌浦について詠まれた和歌が13首ある。聖武天皇が行幸で和歌浦を訪れた際、気に入って「明光浦」に名前を変え、景観を保護するための詔を発令し、現在に至る景勝地・和歌浦のきっかけとなった。同行した歌人・山部赤人も和歌浦を和歌に詠み、紀貫之が高く評価し、和歌とその舞台となった和歌浦が現在まで知られるようになった。

 堀畑さんは和歌の詠み方について「短歌を学ぶというより、楽しみとして詠んでほしい。考え過ぎず、自分の気持ちを込めて作ってほしい」と楽しみ方を語った。

 和歌浦と和歌について学んだところで、和歌の題材を探しながら玉津島神社に移動。和歌浦の風景の美しさをたたえた長歌の石碑を見学した。紀州産青石に彫られた語句を堀畑さんが説明した。子どもたちは歩きながらも、和歌を思いつくとすぐさまノートに書き込んでいた。

 午後からはしらす丼を食べて海の恵みに感謝し、燦短歌研究会の永廣禎夫代表ら指導のもと、子どもたちは学んだことや感じたことを盛り込んでそれぞれの和歌を詠んだ。

 子どもたちの和歌は後日掲載予定。

和歌浦湾岸を歩いて和歌を考えた

和歌浦湾岸を歩いて和歌を考えた