組み作品で伝える物語 紀の國写真倶楽部
紀の國写真倶楽部(西村隆男会長)の第3回写真展が26日まで、和歌山県の和歌山市民会館展示室で開かれている。
1年半ごとに開く展覧会。会員10人が国内外で撮影したスナップや花、風景など7枚以上のカラーやモノクロの組写真を出品。1枚では表せないストーリーや時間の経過を伝えている。
招待作家に長崎県出身の同市の写真家・高木弘太郎さん(80)を迎え、「軍艦島閉山30年目の記録」として、平成12年から15年に撮影した貴重なモノクロ写真28点を展示。
会員の作品はベトナムやキューバの街角で出合った風景、阪神淡路大震災の追悼行事で竹灯籠に鎮魂の祈りをささげる人々、建国記念の日の神社での一こま、京都花街の華やかな舞妓など。来場者は「いい色が出てる」「人生観がありますね」などとじっくり鑑賞している。
根来寺で撮影した7枚組モノクロの「修行僧が行く」を出品している角谷忠明さん(74)は「シンプルな白と黒の世界は色を想像できる楽しみがあります。奥深いです」とにっこり。西村会長(70)は「特に日常や生活に迫ったドキュメントは撮る人が少なくなっているように思います。それぞれの物語や、つながりのある表現をお楽しみください」と呼び掛けている。
午前10時から午後5時(最終日は3時半)まで。