農林水産業振興に尽力 県が12人1団体表彰

和歌山県内の農林水産業の振興や農山漁村の活性化などの活動に貢献した個人や団体をたたえる平成29年度「県農林水産業賞」の表彰式が4日、和歌山市の県庁正庁で行われ、12人と1団体に仁坂吉伸知事から表彰状と記念品が贈られた。

県農林水産業賞は15年度に創設。「農業」「林業」「水産業」「地域づくり」の4部門で顕著な功績がある人を表彰しており、本紙エリアからは農業部門で3人が受賞した。

紀の川市の佐本佳隆さん(47)は、市の青年農業経営者協議会会長や農業士会会長を歴任し、農業者間の交流推進や担い手育成などに尽力。消費者に安全・安心な米を提供するため環境保全型水稲栽培に取り組み、同じ志を持つ農業者のリーダーとして活躍している。

海南市の峯本稔さん(64)は、中山間地域の傾斜地でミカンや柿の新品種を導入し、果樹と棚田での水稲の複合経営に取り組む。10年以上にわたり「棚田のオーナー制度」の代表として、景観を守りながら都市住民との交流を進めるなど、地域農業の振興に貢献している。

和歌山市の山本薫さん(64)は、ダイコンやニンジンの種まきから収穫までの期間を正確に把握し、輪作体系を確立するとともに、最先端の農業用機械を積極的に導入するなど効率的な大規模農業経営を展開。「布引だいこん」のブランド化に尽力するなどしている。

表彰式で仁坂知事は、農林水産業を「地域経済を支える基幹産業」と重要性を強調し、受賞者の活動について「素晴らしい業績を残されている。産業のさらなる発展に向け、一層の力を貸していただきたい」と式辞。来賓の尾﨑太郎県議会議長は「和歌山の発展には第1次産業の成長が必要。広く外にマーケットを求められる産業になるよう応援していく」と話した。

受賞者を代表し、林業部門の塩路信兼さん(広川町)は「受賞は身に余る光栄。これをきっかけに一層努力し、農林水産業の振興に向けて努力したい」と謝辞を述べた。

本年度の受賞者は次の皆さん。

【農業】楠本哲嗣(かつらぎ町)▽﨑山新一(日高町)▽佐本佳隆(紀の川市)▽峯本稔(海南市)▽山本薫(和歌山市)

【林業】林榮生(上富田町)▽栗栖万博(同)▽塩路信兼(広川町)▽平松忠司(日高川町)

【水産業】西出一弘(広川町)▽深野幸男(湯浅町)▽山﨑武(上富田町)

【地域づくり】三津ノ地域活性化協議会(新宮市)

晴れの受賞者の皆さん

晴れの受賞者の皆さん