観光トップセールス 知事が福建省を訪問

 仁坂吉伸知事は昨年12月24日から27日にかけて中国を訪れ、福建省の旅行会社や航空会社の関係者に観光のトップセールスを行い、和歌山県内への旅行を呼び掛けた他、空海ゆかりの寺で交流促進を確認した。   
 仁坂知事は自民・公明両党と中国共産党の幹部同士が対話する「第7回日中与党交流協議会」の開催に合わせて訪中した。知事就任後、同省を訪れるのは初めて。

 24日に成田空港から出国した仁坂知事らは、25日から26日にかけて同省の中心都市・厦門(アモイ)市と福州市の航空会社や旅行会社を訪問。県内の観光地を紹介した他、県営南紀白浜空港に国際ターミナルを建設して国際チャーター便の誘致を進める計画があることを説明し、同空港を利用する旅行商品の開発の検討を要請した。

 同行した県国際課の職員によると、東京から富士山を経て京都や大阪に至る通称「ゴールデンルート」に続く新しい旅行先として和歌山を歓迎する声があった他、同空港の滑走路や航空機の機材などについて質問が出たという。

 また最終日の27日は、弘法大師空海が約1カ月にわたり滞在したとされる福州市の開元寺を視察した。和歌山からは仁坂知事と高野山関係者が出席し、現地からは同寺の本性住職、空海について研究している「空海研究会」のメンバーも参加。両者の間で相互訪問を促進し、これまでより緊密に交流をしていくことを確認した。

 仁坂知事は9日の定例記者会見で中国訪問を振り返り、「中国は海外旅行に行きそうな層が急速に増えていると感じた」と強調。これまで交流を深めてきた北京や上海、山東省に加えて交流相手をさらに増やす考えを示し、「(中国には)数百万人の人口を抱える都市がたくさんある。セールスをしっかりかけるなど、国際観光に本腰を入れるべきだ」と述べた。

空海ゆかりの開元寺で本性住職(左から6人目)、仁坂知事(同5人目)(写真は県提供)

空海ゆかりの開元寺で本性住職(左から6人目)、仁坂知事(同5人目)(写真は県提供)