県内経済「持ち直し」 財務事務所が情勢報告

 和歌山財務事務所は、2018年1月判断の和歌山県内経済情勢報告を発表した。総括判断は「持ち直している」とし、前回(17年10月)から据え置き。各項目の判断も据え置かれ、個人消費は「緩やかに持ち直している」、雇用情勢は「改善している」などとなっている。

 情勢報告は、個人消費や生産活動など9項目の基調判断を総合して総括判断を行っている。

 個人消費では、百貨店・スーパー販売額(既存店ベース)は身の回り品が好調だが、天候などの影響で食料品はやや弱い動き。コンビニエンスストア販売額等(全店ベース)は中華まんなどのカウンター商品が好調。観光も堅調で、主要観光地で宿泊客が増加するなどしている。

 生産活動は全体として緩やかに回復。機械工業で海外向け生産用機械、化学工業で家庭用製品や電子部品向け、鉄鋼業で自動車や建設資材向けがそれぞれ好調となっている。

 雇用情勢は、有効求人倍率が1倍を超え、高水準で推移している他、新規求人数も増加傾向にあり、改善している。

 設備投資は、法人企業景気予測調査(17年10~12月期)で、17年度通期が全産業で前年を下回る計画。企業収益は、同調査による17年度通期の経常利益が全産業で増益見込みとなっている。先行きについては、雇用環境などの改善が続く中、「各種政策効果などを背景に、県内経済は回復への動きが期待される」とした上で、「海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響について留意する必要がある」と見ている。