岩橋正純さん伝記出版 祝賀会で功績しのぶ

 和歌山県和歌山市の社会福祉法人つわぶき会・哲人会の前理事長で、障害者福祉の向上に努めた岩橋正純さんの生涯をつづった『子を思う親の心を積み重ねて』の出版記念祝賀会が24日、和歌山市のホテルアバローム紀の国で開かれた。約360人が岩橋さんの障害者福祉への熱い信念と功績を振り返った。

 同書は、長男の秀樹さん(58)がポリオ(小児まひ)にかかったことをきっかけに、「市心身障害児父母の会」(現市障害児者父母の会)を立ち上げるなど障害者福祉にささげた岩橋さんの人生を、同市の作家・髙田朋男さん(62)がまとめた。

 主催者を代表し、現理事長の秀樹さんが「障害があっても世間で一人前に生きていけるよう、自分の人生を懸けて私を愛し鍛えてくれたことを、この本のおかげで今さらにして気付くことができました」と感謝。「私はもともと父母の会の子ども。本の出版は、私たちを守り育ててくれたお父さんやお母さんに対して、子どもたちみんなからの感謝のつもりでもあります。今後も障害者福祉の向上に精いっぱい努力する所存です」とあいさつした。

 同書に掲載された座談会に出席した世耕弘成経済産業大臣からビデオレターが届き、尾花正啓市長や岸本周平、門博文両衆院議員も祝辞。 髙田さんは、本のタイトルは岩橋さんが記した言葉を基にしたものであったことを明かし「親から子に対する気持ちが込められ、とても良い言葉だと感じた。本の第2章は障害者を抱える家族の葛藤が素直な気持ちで書かれ、読みどころ」と紹介した。

 翌25日には、市内の書店で出版記念トークショーが行われた。

あいさつする秀樹さん

あいさつする秀樹さん