多忙を極める国会運営 与野党の攻防、協議の舞台裏

 2月28日、平成30年度予算および関連する国税・地方税が衆議院で可決されました。この結果、予算は年度内に自然成立することとなりホッとしています。今後は各委員会での法案審議と、それを受けた本会議開催を進めていくことになります。
 その最大の攻防となった26日は、野党側の求めで開かれた与野党幹事長・国対委員長会談が、午後8時半から断続的に午前0時過ぎまで続きました。結果的には野党の要求を入れ、結論を翌日に繰り越しましたが、この間、関連する予算、財務金融、総務の各委員会と議院運営委員会の理事など関係者は、翌日の各委員会と本会議をセットするため待機していました。
 また、閣僚も大変です。例えば28日は、朝から予算、財務金融、総務各委員会での審議と採決があり、午後6時からは本会議でした。その本会議も、予算委員長の解任決議案の討論・採決、予算案と一部野党からの予算組み替え動議の討論・採決、さらに国税の討論・採決、地方税の討論・採決と続き、閉会は午後11時半ごろでした。
 なかでも総理は、閉会後も各党あいさつ回りと官邸での記者会見など午前1時ごろまで活動され、翌朝7時には早速参議院での予算委員会の答弁打ち合わせがあったそうです。そして、その後午後5時までテレビ中継のなか委員会に出席されました。また、財務大臣は担当大臣として衆参全ての予算委員会に出席しますが、先日は朝9時から夕方5時までのテレビ中継の委員会に出席の後、財務金融委員会に出席され午後9時前まで審議に応じられました。
 このような中で議院運営委員会と国会対策委員会の活動は、想像以上に大変です。まず平日は、毎日午前9時すぎからの正副委員長会議、火・金には国対委員会議があり、その合間を縫って法案説明や閣僚・議員の海外渡航許可など、さまざまな相談が持ち込まれます。
 さらに、野党議運筆頭との協議も行い、本会議のセットや質問時間の配分など理事会での協議に備えます。各委員会の動きを見ながらの協議なので細かな調整が欠かせません。たとえば先日は、国会同意人事のうち日銀正副総裁や公取委員長など所信聴取・質疑が必要な人事の議運委員会を開きましたが、任期満了を考慮した衆参の日程調整が必要で、何回も協議を重ねました。
 また現在、予算委員会での発言に対し議院運営委員会に懲罰動議が提出されており、懲罰委員会に付するかどうかを判断しなければなりません。議員の自由闊達な言論を保障するため、院内における議員の発言は責任を問われない一方で、議院の秩序を守り品位を保つことが大切です。議員の名誉あるいは身分に係わる問題だけに、このような観点から慎重に対応していかねばと考えています。
 こうした国会運営に加え、衆議院としての国際交流があります。議運理事として、すでにミャンマー、キューバ、中国の議員をお迎えしましたが、続いてベトナムの議員をお迎えする予定です。この他、国会内の警備や議員宿舎の問題をはじめ衆議院に係わるあらゆることに対応しています。
 そのため、月曜の朝から金曜の午後まで、議員会館の自室に戻ることすらわずかな状態です。とくに党の政調会の部会や勉強会にほとんど出席できないのは残念ですが、円滑な議会運営を心がけ、法案などの速やかな成立に頑張ってまいります。