貢献の味村さん名誉師範に 日本調理師会
和歌山県和歌山市友田町のホテルグランヴィア和歌山の和食統括料理長、三浦覚さん(50)と御坊市薗の居酒屋「とんぼ」オーナーの吉本陽子さん(45)が、日本調理師会から「師範」に認定された。師範は優秀な調理技術を持ち、食育などの活動を行う人に与えられ、吉本さんは県内の女性で初めての認定。さらに、和歌山市片岡町のフランス料理店「JOY味村」のオーナー味村正弘さん(66)は、より顕著な功労に対して贈られる「名誉師範」となった。
師範は、調理師として20年以上活躍しており、優秀な調理技術を持ち、食育の推進、調理師会の活動に積極的に参加・協力するなど会の発展に貢献している選ばれた人に与えられる資格。県内の師範は今回認定された2人を含めて19人。
三浦さんは大阪市出身。同市北浜の料亭「花外楼」や会員制リゾート東急ハーヴェストクラブでの勤務を経て、2015年にホテルグランヴィア和歌山の和食統括料理長に就任。1990年代の人気テレビ番組「料理の鉄人」への出演でも知られる和食料理人・中村孝明さんと共に会席料理を作るイベント「食の饗宴」の開催や、あらゆる料理や店に対応できる若手料理人の育成に取り組んできた。
吉本さんは調理師として20年以上、特に和食料理人として腕を振るっている。昨年12月に「とんぼ」をオープンし、おいしい料理にアットホームな雰囲気の店として人気を集めている。県調理師会では名誉師範に認められた味村さんらと一緒に小学校でフルーツカッティングの食育教室の講師を務めるなどの活動が認められた。
日高川町出身の味村さんは「JOY味村」のオーナーとして、カジュアルなコースからしっかり味わえるフルコースまで、斬新で繊細なフレンチを提供している。名誉師範は優れた技術を持ち、調理師会に貢献している70歳以上に与えられるのが通例だが、味村さんは66歳ながら食育活動に献身的に取り組み、県調理師会副会長を務めるなどの貢献度の高さが認められた。県内の名誉師範は海南市の和食料理店「婦久家」店主の中岡勲さんに続いて2人目。
3人は2月に開かれた日本調理師会50周年記念パーティーで受賞。三浦さんは「市調理師協会副会長として、キッズシェフ体験なども視野に活動をしていきたい。和食は文化遺産でもある。これからも和の世界を広げていけたら」、吉本さんは「これからもおいしい料理を提供し、調理師会の発展に協力していきたい」、味村さんは「会の発展に努めるのはもちろん、これからもお客さまの大切なひとときを楽しさや喜びに変えられるよう、最高のおもてなしをしていきたい」と話している。