4月開学 東京医療保健大和歌山が竣工式
4月に開学する東京医療保健大学和歌山看護学部雄湊キャンパス(和歌山県和歌山市東坂ノ上丁)の竣工式と見学会が28日に行われ、学校法人青葉学園の田村哲夫理事長と仁坂吉伸知事、尾花正啓市長、日赤和歌山医療センターの平岡眞寛院長らが出席し、完成を祝った。
同キャンパスは昨年閉校となった市立雄湊小学校の跡地に開設。市が誘致活動を行ってきた「まちなか3大学」の1校目として、地元での就職・定住と看護師不足の解消を目指して開学する。同大学では千葉キャンパスと並んで5・6番目のキャンパスとなり、看護師の他、保健師、養護教諭の資格が取得できる。
同キャンパスには4月から106人の学生が通う。推薦入学も含めそのうち101人は県内在住。和歌山市では、毎年約100人が県外の看護系大学に進学しているが、同キャンパスの誕生により県内で看護系大学に進む間口が広がっている。
1・2年生は雄湊キャンパスで看護師の基礎を、3・4年生は日赤和歌山医療センターと連携し、2020年完成予定の日赤のキャンパスで多様な看護の実例とともに実習に取り組む。併設グラウンドでの夏祭りなど地域活動への参加も計画されている。地元病院での研修で現場の雰囲気を知り、地域の活動に参加することで和歌山への愛着も育つ。
小学校の校舎を改修したキャンパスには、学生に貸与されるパソコンのサポートセンターを併設したホールや看護の基礎を実践できる実習室を設置。実習室はベッド作りから車いすの移動など1年生が基礎を学ぶ「基礎実習室」と、2年生が赤ちゃんから高齢者のリハビリまであらゆるケースに対応したミーティングと実技を行う「実習棟」の2種類がある。いろいろな症状を再現し、人間に近い状態で実習できるシミュレーターも導入され、現在の医療現場に合わせたカリキュラムが受講できる。
校舎隣には新設のカフェテラスも設置。屋外のウッドデッキと合わせて160人を収容できる。
竣工式で、田村理事長は「多くの先生の協力で竣工でき、感無量の思い。志願者も多く、大学が思っていた以上に必要な場所として地域に迎え入れられていると実感した。日赤の教育力を大学で活用させてもらえるのは喜ばしいこと」と完成を喜び、2年後の大学院設置の構想も発表された。仁坂知事は「新入生の多くが県内出身というのは県としてうれしいこと。ここからたくさんの看護師が巣立つのは人材育成の強力な手段になっていくのでは」と祝辞を述べた。
入学式は4月8日午後1時から県民文化会館で行われる。