和高専がリバネス賞 円月島の修復法提案
海洋に関する研究に挑戦する中高生をサポートする「マリンチャレンジプログラム」(公益財団法人日本財団、㈱リバネス主催)の全国大会が3月28日に東京都港区で開かれ、和歌山高専の物質工学科2年(大会当時)の中嶋夢生君(和歌山大学付属中学校出身)と宮坂萌々香さん(和歌山市立伏虎中学校出身)、猪飼朋音さんの共同研究「環境保全のためのバイオセメンテーション技術の開発」が、リバネス賞を受賞した。
同プログラムは1次審査、2次審査、全国大会があり、全国大会には審査を勝ち抜いた全16チームが出場し、1年間で取り組んだ研究成果を発表した。
和高専の3人は、生物応用化学科の楠部真崇准教授の指導のもと、白浜町にある名勝・円月島が、風雨により浸食や崩壊の危機にあることに着目し、修復方法を研究。一般的なセメントで固める方法ではなく、微生物の力を利用したバイオセメンテーション技術を活用した方法を提案した。具体的には、風化したり崩れ落ちたりした破片などを微生物の力で固めて元の場所に戻すことで、セメントよりも環境に配慮した修復となることを発表した。
審査委員からは強度の調整や研究モデルの有無などについて質問があり、授賞式後の懇親会では、特許化についてなど応援企業と意見を交換した。
楠部准教授は「参加した学生は今後の展開に意欲を高めており、新年度中にもパテント(特許)の申請や学術論文への投稿を検討している。将来、海外に羽ばたいて広い視野で活躍してほしい」と話している。