平和酒造の梅酒がキットカットに 9月発売

 人気のチョコレート菓子「キットカット」に平和酒造(和歌山県海南市溝ノ口、山本文男社長)の銘酒「梅酒 鶴梅」を使用した新商品が9月に発売される。海外で梅酒の人気が高まっていることを受け、県産の南高梅を使用した商品を開発。サッカー元日本代表の中田英寿さんがプロデュースした。30日まで六本木ヒルズ(東京都)で開かれている中田さん発案の日本酒のイベントで試作品が提供されており、消費者の反応が期待される。

 キットカットはネスレ日本㈱(神戸市)が製造し、常時30種類以上のフレーバーを展開している。海外での人気も高く、同社は訪日外国人観光客を含む海外向けの販売をさらに拡大しようと、抹茶や日本酒など日本ならではの原材料を使ったキットカットの開発に取り組んできた。

 「梅酒鶴梅」はホワイトリカーや本格焼酎ベースで造られる梅酒が多い中、日本酒をベースとし、紀州南高梅の中でも味わいが濃厚な大粒の完熟梅を使用。完熟梅のほのかに甘く奥深い味わいとホワイトチョコレートが繊細なバランスで組み合わさることで、芳醇な香りとすっきりした後味が実現したという。

 中田さんは日本の伝統文化を世界に広める活動に取り組んでおり、これまでに全国で約300の酒蔵を訪れた。梅酒が海外で「プラムワイン」や「UMESHU」と呼ばれ、需要が急激に拡大していることに注目しており、「特に海外の女性に人気が高い。クオリティーの高い梅酒を造っている平和酒造はコラボレーションする相手として最適と思いました」とコメントした。

 パッケージは梅の爽やかさを表現した緑色の中央に、赤い梅結びがあしらわれた酒瓶を配置。平和酒造の山本社長は「20~30代の若い方々や普段お酒を飲まない方にもぜひ食べていただきたいと思っています。紀州南高梅を使用した梅酒や和歌山の魅力を伝えていきたい」と期待を示している。

 9枚入りで700円(税抜き)。9月中旬から全国の土産物店などで販売する予定。六本木ヒルズで開催中のイベント「CRAFT SAKE WEEK at ROPPONGI HILLS」の特設ブースで試作品を限定240人に提供している。

 問い合わせはネスレお客様相談室(フリーダイヤル0120・00・5916)。

試作品の味を評価する中田さん㊧と山本社長(写真はネスレ日本㈱提供)

試作品の味を評価する中田さん㊧と山本社長(写真はネスレ日本㈱提供)