IR反対で違い鮮明に 島氏の市長選政策
任期満了に伴う和歌山市長選(7月22日告示、29日投開票)に立候補を表明している島久美子氏(62)が17日、市内で記者会見し、基本政策を発表した。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致には明確に反対を表明。誘致を進め、再選を目指している尾花正啓市長(65)との違いを鮮明にした。
島氏は「立候補してから『私たちの声が市に届かない』という意見をたくさん聞いた。困難が多くても、市民の声を市政に生かし、現場の声を聞いて力を発揮してもらうのが住み良いまちをつくる道になる」と政策づくりのきっかけを説明。「市民の声を市政に生かす仕組みをつくる」をはじめ、子育て支援や教育、福祉の充実、産業廃棄物処分場やメガソーラー建設計画のストップ、憲法を暮らしに生かす市政などを掲げた。
経済振興策では、県と市が進めるIR誘致について「ギャンブル依存症やそれに伴う家庭崩壊、借金苦を引き起こし、青少年に悪影響を与える」などとして反対。和歌浦などの自然と歴史を生かした観光振興や、高齢者や障害者が来やすい観光地づくり、中小業者の支援強化により地域でお金が回る好循環をつくるなどとしている。
市民の声を生かす仕組みでは、政策決定の過程に市民公募や当事者の参画を保障する条例の制定を目指す。尾花市政が進める市民図書館と市民会館の移転事業について、市民への説明が不足しているとの認識を示してきたことを念頭に「市民に必要な場所は市民が活用できるなら設置を歓迎したい。建設までのプロセスに市民の声を取り入れることで、その後の黒字経営にもつながる」と述べた。
この日、島氏を支援する政治団体「にじいろ和歌山」(花田惠子代表)の結成も発表された。島氏は共産党と新社会党の推薦を受け、社民党と自由党が自主支援を検討している。