乾燥用の収穫最盛期 紀美野・海南の山椒
JAながみね管内の美里・野上・海南・下津地区で、乾燥させて出荷する山椒(サンショウ)の収穫が本格的に始まった。良質とされる同地区の山椒は、乾燥したものは漢方薬や香辛料、5月上旬に収穫された生の状態で利用する果実や葉は佃煮やジェラートなどに引き合いが多く、両方ともさまざまな食品の風味付けとして、用途の広がりを見せている。
JAながみね山椒連絡協議会会長で美里山椒部会部会長を務める上段順弘さん(75)は、紀美野町美里地区に所有する約50㌃の山椒畑の一角で収穫を行った。13年前から栽培を始め、枝ぶりを整える剪定(せんてい)作業や、果実をつけるブドウザンショウと、受粉樹となるハナザンショウの接ぎ木などを丹念に行ってきた。実がたわわに揺れる畑の様子を眺めながら「私の世話に応えてくれたよう」と語り「収穫作業は散髪みたいなもの」と、木々への愛情を話す。
畑の視察に訪れたJAながみね美里支店の土谷賢太郎さん(32)と中谷修二さん(29)は、左右に大きく広がった枝ぶりと、枝先だけでなく中心部にも多くの果実がついていることに注目。収穫に脚立を使う必要がないことで作業効率や安全性が高まり、収穫量の多さで所得の向上も目指せるとして、「上段さんの畑は見事です」と、太鼓判を押していた。
収穫作業は1~2カ月にわたり続けられる。