下落幅6年連続で減少 18年の県内路線価

 国税庁は2日、相続税や贈与税の課税額を算定する基準となる土地の評価額を示す2018年分の路線価を公表した。和歌山県内は標準宅地の対前年変動率の平均値が1・2%の下落となったが、下落幅は6年連続で縮小。都道府県別順位は37位で、昨年より3位上昇した。

 路線価は毎年1月1日を評価時点とし、地価公示価格などを基として算定した価格の80%で評価している。

 県内の7税務署管内で最高路線価が上昇したのは対前年比2・2%上昇の田辺署管内のみ。和歌山、粉河署管内が横ばいで、海南、御坊、新宮、湯浅署管内は下落した。

 県内の最高路線価は、和歌山税務署管内の和歌山市友田町5丁目(JR和歌山駅前)。1平方㍍当たりの価格は6年連続の36万円で、同所の県内最高路線価は1997年以降22年連続となった。県内7税務署別の最高路線価は、全て昨年と同じ場所だった。下落率が最も大きかったのは湯浅税務署管内の3・5%だった。

 本紙エリアの最高路線価は和歌山、粉河署管内が横ばいとなったが、海南署管内は海南市名高(中央通り)が8万6000円で、変動率は3・4%減少。利便性のいい商業地域だが、郊外の大型商業施設への顧客の流出や市役所の移転などの影響で地価水準は下落傾向で推移すると予想されている。

 標準宅地数は3925、継続地点数は3896(前年3900)。継続地点のうち上昇地点は355(同262)、横ばいは1525(同1365)、下落地点は2016(同2273)。

 近畿2府4県では、京都、大阪両府が前年より上昇幅が拡大。滋賀県が下落から上昇へ転じ、兵庫県と奈良県が前年より下落幅が拡大した。2府4県の変動率の平均値は、0・6%の上昇となった。

 路線価は国税庁ホームページで閲覧できる。

 県内各税務署の最高路線価と変動率は次の通り。

 和歌山=和歌山市友田町5丁目(JR和歌山駅前)36万円、0%▽海南=海南市名高(中央通り)、8万6000円、3・4%減▽御坊=御坊市湯川町財部(国道42号)、5万5000円、1・8%減▽田辺=田辺市新万(市道中万呂礫坂線)、9万3000円、2・2%増▽新宮=新宮市新宮(市道丹鶴町中央通線)6万7000円、1・5%減▽粉河=岩出市中迫(国道24号)7万9000円、0%▽湯浅=有田川町明王寺(国道42号)5万5000円、3・5%減

県内最高路線価の和歌山市友田町5丁目付近

県内最高路線価の和歌山市友田町5丁目付近