18、19歳の票の行方は 市長選2候補訴え

 29日投開票の和歌山市長選は、2016年に選挙権年齢が18歳以上に引き下げられてから初の実施となる。市内の18、19歳の有権者は約7200人。昨年秋の衆院選では和歌山1区の18、19歳の投票率は34・03%(全国平均40・49%)にとどまっており、若い有権者に向け、2候補はどのようにアピールしていくのか。

 新人の島久美子候補(62)は高校生の利用が多い駅の周辺で街頭演説などに取り組んでいる。若者向けに投票を呼び掛けるチラシも配布。長時間労働の常態化などが問題となっている「ブラックバイト」に対し、最低賃金の引き上げや残業時間上限の法制化を目指すことや、給付型奨学金制度の充実など、若者が直面する問題に関する政策をアピールする。

 現職の尾花正啓候補(65)の陣営も投票者数の底上げを目指しているが、関係者は「(若者が)本当に投票に来てくれるのかな、と思う」と漏らす。期日前投票所が増えたこともあり、街頭演説では投票そのものの呼び掛けもしている。若者向けには、学校環境の整備や就職支援の促進などの政策を訴えている。

 若年層の投票を促すため、市選挙管理委員会は以前から、模擬選挙の体験講座や20代向けワークショップなどを開催。実際の選挙で使う投票箱や記入台を用いて生徒会選挙を行う学校もある。

 市長選の投票率は前回かろうじて30%超。18、19歳の一票が今回の選挙にどのような影響を及ぼすのか注目だ。

模擬選挙で投票する生徒

模擬選挙で投票する生徒