柔道日本代表の心技学ぶ 井上監督が教室
全日本柔道男子の井上康生監督による柔道教室が20日、和歌山県和歌山市中之島の県立体育館で開かれた。柔道に取り組む子どもたちが参加し、日本代表の技術と精神を学んだ。
子どもがスポーツに親しみ、学びを得てもらおうとスポーツ振興和歌山市議会議員連盟が主催。講話では柔道を続ける上で大切なことを語り、技術指導は井上監督の得意技である内股を指導した。
5歳で柔道を始め、小学校から大学生、社会人までそれぞれの大会で優勝し、2000年のシドニー五輪で金メダルを獲得した井上監督。世界の舞台でも全日本選手権でも「柔道が好きでたまらない」という気持ちが強かったという。負けても「好きなことをもっと続けたい、強くなりたい」という思いで練習を続けられた。「熱意も必要だが、好きだと思えることが大事」と話し、「柔道は好き?」という質問に子どもたちが一斉に手を挙げると「良かった」と笑顔を見せた。
その後の指導では、内股をかける際のこつをデモンストレーションを通して説明。相手の体勢を崩し、技を仕掛ける準備の動作と投げるときの足の上げ方を繰り返して練習。応用として、内股を仕掛けられたときのかわし方も学んだ。最後の質問タイムには、大外刈りなど他の技をかけるときのこつも説明した井上監督は「どんな技もすぐにできる人はいない。自分も返されたことがあり、練習して内股を確立させた。諦めないで『やれる』ということを信じてもらいたい」とエールを送った。
教室に参加した岩出市立中央小学校6年の浅井大輝君は「井上監督の技は迫力があった。内股のかわし方を使えるようになりたい」、山崎北小学校6年の小島正剛君は「練習したら自分より大きな相手も投げられると分かった」と多くのことを学んでいた。