スペイン陶芸家 船戸さんが近鉄で個展
タイルやオブジェに、太陽の国の色彩を詰め込んで――。東京都在住のスペイン陶芸家、船戸あやこさんの個展「太陽の国の色彩とフォルム」が31日まで、和歌山県和歌山市友田町の近鉄百貨店5階画廊で開かれている。
スペインの色彩に憧れ、大学卒業後、同国に渡って陶芸を学んだ船戸さん。約20年間窯業の街・バレンシアで作陶し、2012年に活動の拠点を東京に移した。
スペイン在住時には、東日本大震災で被災した宮城県女川町をスペインタイルで彩る活動に携わり、船戸さんの工房を訪れた町民に指導。現在もプロジェクトが進行中という。
スペイン陶芸は地中海周辺で取れる白い土を使い、1000度の低温で焼き上げる。「白土と色彩を最大限に生かしたい」という船戸さんの立体作品は、工具を駆使し、花や草木などさまざまな模様を繊細に彫り込むのが特徴。今展ではタイルや花器、オブジェなど約200点を展示販売している。
スペインの森で出会ったという虹色のハリネズミの兄弟をモチーフにした新作の他、ウサギやネコ、ネズミやヤモリなど、小さな生き物をモチーフにした作品も多い。動物たちの表情も愛嬌(あいきょう)たっぷり。物語を感じさせる癒やしの作品が並び、船戸さんは「色と光の国・スペインの色彩の魅力をお伝えできれば。ぜひ来て、見て、楽しく元気になるような色を楽しんで」と呼び掛けている。
午前10時から午後7時(最終日は4時)まで。会期中は船戸さんの制作実演もある。問い合わせは同店(℡073・433・1122)。