和歌山市長に尾花さん再選 福祉充実に意欲
任期満了に伴う和歌山市長選は29日、投票、即日開票され、現職の尾花正啓さん(65)=無所属=が新人の島久美子さん(62)=無所属=との一騎打ちを制し、2回目の当選を果たした。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致の是非などが争点に挙げられたが、尾花さんは大学誘致や市民会館・市民図書館の移転など中心市街地のにぎわい創出に取り組んできた4年間の実績などを訴え、支持を集めた。
尾花さんは、推薦を受けた自民、公明、国民民主各党の支持層などを手堅く固めた。1期目で取り組んできた政策が成長するのか、止められてしまうのかが問われる選挙と位置づけ、中心部の再開発、公共施設の耐震化、待機児童ゼロへの取り組みなどを前面にアピール。選挙期間中は連日10カ所以上で街頭演説を行い、各地区で個人演説会を実施。各党の国会議員や県議、市議らが応援し、国政の与野党を超えた支援を背景に優位に選挙戦を進めた。
島さんは共産、社民、新社会各党の推薦と自由党の支援を受け、IRの誘致反対、高齢者や障害者に優しい福祉のまちづくりを掲げて戦った。山本太郎自由党代表、福島瑞穂社民党副党首ら全国的知名度がある国会議員も応援に駆け付け、障害者らの声を聞く懇談会を開くなど、独自の戦術で政策を訴えたが、現職の地盤を崩すことはできなかった。
投票率は31・56%にとどまり、過去最低だった前回(2014年8月)の30・84%をわずかに上回った。