これからも歌い継ぐ 和歌山ブルース半世紀

 ♪逢いたい 見たい すがりたい~♪ そんな気持ちにさせるのは ぶらくり丁の恋灯り♪ ぶらくり丁や真田堀、和歌浦の情景を歌った歌謡曲『和歌山ブルース』がことし、発売から50周年を迎えた。同曲を歌い継ぐ歌手の古都清乃さんは「和歌山ブルースは私の歴史と共にあり、古都清乃そのもの。これからも大切に歌い続けていきたい」と笑顔で話している。

 『和歌山ブルース』は昭和43年に発売。作曲は「いつでも夢を」などで知られる国民的な作曲家・吉田正さん。ご当地ソングの先駆けとして全国的に大ヒットし、90万枚を売り上げた。和歌山では市民らの寄付によって雑賀橋のたもとに歌碑が建立されるなど、永年にわたり地元に愛されてきた。

 古都さんは「いまだに、地方に住む方から『いまカラオケで歌ってるよ』と、電話がかかってくるほど。過去の歌ではなく、皆さんに愛され、生活に息づいているのはうれしいこと」とにっこり。

 活動を応援する地元ファンも多く、和歌山市のイズミヤ和歌山店に文具・はんこ店「サトゲン」を構える佐藤元章取締役(80)もその一人。ことしは店の50周年とも重なり、先日、和歌山市内で古都さんを招いた祝賀会を開催。古都さんが「串本育ち」「加恵~華岡青洲の妻~」など、和歌山にちなんだ十数曲を披露した。

 佐藤さんはデビュー当時から古都さんを応援。「若い頃には東京にも行ったけど、そこで向こうの人たちが和歌山ブルースを歌って歓迎してくれたこともある」と振り返る。古都さんが和歌山に来るたびに自ら車を出し、一緒にキャンペーンに回るなど、音楽活動を傍らで支えてきた。

 古都さんは「こうして50年も応援してくれる方々がいるのは大変ありがたいこと。いろんな曲を出していますが、その中でも、最も受け入れられている曲だと改めて感じています」と話している。

古都さん㊥を囲んで、佐藤さん㊨ら応援メンバー

古都さん㊥を囲んで、佐藤さん㊨ら応援メンバー