歌手と楽曲募集中 わかやま歌のちからの会
歌の力で和歌山を盛り上げようと、和歌山県内の歌手や音楽関係者らが「わかやま歌のちからの会」(松下秀二郎会長)を立ち上げ、活動している。和歌山のシンガーや楽曲の発掘、募集などを進め、来年1月20日には、和歌山市の県民文化会館小ホールで「地方創生!歌謡コンサート」を開催する。副会長で同市のシンガーソングライター、羅布陽介さん(58)は「歌の力で皆が一つになり、和歌山を盛り上げる土台づくりのための活動です」と話し、広く活動への参加を呼び掛けている。
総務省の統計によると、県は都道府県別人口当たりのカラオケボックス普及率が1位と、歌に対しての県民の興味や熱意は強いものの、多くが趣味や個々の活動にとどまっているのが現状。同会は、歌を愛する県民の個性を大きなまとまりにし、地方創生に一役買えればと、ことし2月に発足し、現在は約50人の会員が活動している。
活動方針は、和歌山の歌謡の全曲調査▽現在活動する和歌山ゆかりの歌い手の網羅▽ソングライティング・コンテストの実施▽シンガー発掘オーディションの実施――の四つの柱を掲げる。
和歌山の歌謡全曲調査は、ご当地ソングや大正~平成の演歌、ポップス、ロックなど、過去にレコードやカセットテープ、CDで世に出た歌を対象に実施。中間集計では「加太小唄」や「大池シャンソン」「和歌山ブルース」をはじめ計458曲が見つかっており、市町村別では和歌山市が113曲と最も多く、田辺市の51曲、新宮市の27曲と続く。同様の調査は全国的に例がなく同会が初めての実施と見られるため、データの比較はできないが、引き続き調査を進めており、その数はさらに増えると予想されている。
歌い手を網羅し、知名度アップと活動の推進を目指して作成している「和歌山歌手年鑑」には現在、和歌山ゆかりの歌い手129人が登録されている。
こうした郷土の先人による歌や現役で活動する歌い手を軸に、新たな歌や才能を加え、和歌山を盛り上げていこうと、現在は「シンガー発掘オーディション」と「わかやまソングコンテスト」を募集している。
オーディションは9月14日の和歌山会場を皮切りに、11月17日までに県内6カ所で行う。歌への情熱があれば誰でも応募でき、費用は3000円。全ジャンルからアップテンポとスローテンポの2曲を歌い、審査で選ばれれば1月のコンサートのステージに立つことができる。
ソングコンテストは、和歌山をイメージできる歌詞で、未発表、オリジナル作品を募集。曲は5分以内、応募の形態は自由。歌詞のみの作品も受け付ける。優勝賞金は5万円。優秀作品はCD発売を予定している。10月31日締め切り。
応募方法など詳細は同会ホームページ(http://wutap.ikora.tv/)に掲載。問い合わせは事務局(℡073・457・1011)へ。
羅布さんは「和歌山と歌への情熱があればどなたでも参加できます。一緒に和歌山を元気にしていきましょう」と意気込んでいる。