目の前で衝突実験 交通安全の体感イベント
自動車の衝突事故などを再現し、交通安全の重要性を体感してもらう「交通安全テクニカル体感フェアーin海南」が22日、ドライビング・スクールかいなん(和歌山県海南市且来)で開かれた。高齢者や親子連れら約200人が来場し、乗り物での走行時や歩行時の安全確認の大切さ、自動車の安全装備などについて学んだ。
秋の全国交通安全運動の一環で行われ、海南署と交通安全協会海南支部、海南地区地域交通安全活動推進委員協議会が主催。自動車3台を使用しての大掛かりな衝突実験や、安全運転サポート車の機能の体験などがあり、㈱スズキモーター和歌山、トヨタ部品大阪共販㈱和歌山営業所、カーサービスオオヤ、同スクールなどの協賛で実現した。
実験には教習コースを利用し、歩行者・自転車と自動車、自動車同士の衝突などを再現。来場者は事故が引き起こす光景や大破した自動車などを目の当たりにし、交通ルールを守ることの大切さを肝に命じていた。
高齢者は安全運転サポート車に乗り込み、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能を体感。幼児向けにパトカーの試乗もあり、白バイのデモ走行も見学した。
解体予定の車両を実験用に提供したカーサービスオオヤの應矢文彦代表(57)は「エアバッグで命を救われる人もいれば、けがをする人もいるので、安全装備の正しい使い方を多くの人に知ってもらいたい」、海南署の土井智晴署長は「衝突実験で事故現場の恐ろしさを確認した上でサポートカーの有効性を感じてもらいたい」、4歳の双子と7歳の3人の男児を連れて参加した同市大野中の西川将弘さん(40)は「普段は体験できないことが学べて良かった」と話していた。
県内のことしの人身交通事故は20日現在、1628件で減少傾向にはあるものの、事故当事者の高齢者の割合は増加しており、交通事故による死者24人のうち15人が高齢者となっている。