9割が危険性低く 大規模建築物の耐震診断
建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づき、和歌山県は9日、県内のホテルや小中学校、公共施設など緊急安全確認の必要な大規模建築物99件のうち、97件で耐震化のめどがついたことを発表した。現時点で倒壊などの危険性が低い建築物は全体の90%となる。
同法律は2013年に改正され、一定の規模を超える大規模建築物の所有者は耐震診断を行い、所管行政庁である県や和歌山市への結果報告を義務化。所管行政庁は報告の内容を公表しなければならないとされている。県は風評被害や公平性に配慮し、これまで公表を控えていたが、診断の結果を耐震改修工事につなげる重要性などを考慮し、同日公表した。
対象となる建築物は県所管が50棟、和歌山市所管が49棟。現地点で倒壊の危険性が低い建築物は89棟(県46棟、市43棟)あり、うち改修が不要、または改修済みの建物は83棟(県41棟、市42棟)、改修中は6棟(県5棟、市1棟)となっている。
対象建造物のうち改修や移転、除去予定の建物は8棟(県市各4棟)、耐震化が未定の建築物は2棟(いずれも和歌山市)となっている。
全国的にみると、現時点で倒壊などの危険性が低い建築物は、約1万600棟のうち約8800棟で83%。仁坂吉伸知事は同日の定例記者会見で「和歌山の大規模なホテルについては、地震に関して完璧となる」と話した。