Iターンのスイーツ店 粉河で人気上昇中
大阪府茨木市から和歌山県紀の川市粉河にIターンした人見良夫さん(58)、朋子さん(52)夫妻が営む「カフェ・スイーツ・サブリエ」が開業から1カ月を迎えた。「自然豊かな地方で生活がしたい」という共通の夢をかなえた2人。国内各地の有名ホテルで磨いた高い技術とこだわりから生み出されるスイーツは、地域の人気を集めている。
良夫さんは岡山市、朋子さんは大阪市の生まれ。良夫さんは大阪のリーガロイヤルホテルや東京のプリンスホテルなど国内各地の有名ホテルでパティシエとして活躍し、朋子さんもパン作りの仕事に長く携わってきた。2005年に茨木市の阪急南茨木駅前でテイクアウト専門のケーキ店「イグレック・ウーブル」をオープン。人気店だったが、自然豊かな環境を求め16年8月に店を閉めた。
新しい店を出すにあたっては、「お客さまに作りたてを食べてほしい」という思いから、店内にイートインコーナーを設けた店舗にしようと計画した。近畿各地を回った結果、広い土地を確保でき、周辺に果物畑が広がる紀の川市の環境を気に入り、ことし7月に移住。日本政策金融公庫の設備資金(企業活力強化貸付)の融資を受け、9月5日に新店舗をオープンした。
夫妻の〝一押し〟は、独特の風味や強めの塩味が特徴の世界三大チーズの一つ、ゴルゴンゾーラを使ったチーズケーキ。朋子さんは「塩気のある後味がくせになり、ワインにも良く合います」と自信を見せる。
ショートケーキやロールケーキなどの定番メニューも豊富で、カボチャのモンブランや栗のタルトなどもある。
イートインメニューでは、良夫さんのニックネーム「ひーちゃん」から名付けた「ひーちゃんシェフのおまかせプレート」は、ムースやマカロン、焼き菓子など5~6点を盛り付けてくれる豪華なプレート。1000円でランチも味わえ、和食と洋食を週替わりで提供している。
茨木市の店は中高年の来店が中心だったが、新店舗には20代の若者から高齢者まで幅広い年齢層が訪れ、「ゆっくりお茶ができるお店が粉河にできて良かった」などの声を聞くとうれしい。
今後は、子どもたちを対象とした菓子作り教室やスイーツバイキングなども開き、フルーツ王国・紀の川の産物をもっとメニューに生かしたいと計画を練っているところ。人見さん夫妻は「地元の新鮮な果物を使った商品をどんどん増やしていきたい」と笑顔で話している。
営業時間は午前11~午後6時。火曜定休。ランチは前日までに電話予約が必要。問い合わせは同店(℡0736・60・2069)。