紀美野のイタドリを活用 ハーブ茶を開発中

 和歌山県紀美野町の豊かな自然を地域活性化に生かそうと、きみの山の恵み研究会(赤阪恵子代表)は、山菜のイタドリを栽培し、加工して商品化する取り組みを進めている。秋が開花期であることから、現在は花とハーブを組み合わせたブレンド茶を開発しようと、大学生らと共に討議を重ねている。

 イタドリにはポリフェノールやクエン酸などの成分が多いことは知られていたが、花や皮などこれまでは利用されてこなかった部分にも豊富に含まれていることが、県林業試験場(上富田町)など研究機関の分析で明らかになってきた。

 赤阪代表と研究会のメンバー、同町で「は~ぶ工房もくもく」を主催する川内和子さん、和歌山大学や大阪市立大学で「援農」や「クオリティーオブライフ(人生の充実)」などを学ぶ学生12人らは先月、同町の西野集会所でブレンド茶を試飲し、販売方法などを検討した。

 収穫後に乾燥させた花を利用しているが、イタドリの花だけでは無味無臭であるため、数種類のハーブを加えてそれぞれを試飲。香りや味わいを添加するのにレモングラスやレモンバームが適していると意見がまとまった。パッケージについては「中身がよく見え、手作りであることをPRする素朴なものが良い」、販売場所は「おしゃれな店舗が良い」などの提案があった。

 赤阪代表は「若い人が真剣に考えてくれ、うれしい。シビアな意見が参考になります」と話し、意見を集約して商品開発を進め、今月18日の町農林商工祭りで販売開始を目指す。

 大阪市立大学生活科学部4年の土居采矢佳さん(22)は、「食品加工に興味があります。地域の方が生き生きと取り組んでいる姿に私も同じような大人になりたいと感じました」と話していた。

ブレンド茶について検討する赤阪代表と大学生ら

ブレンド茶について検討する赤阪代表と大学生ら