口腔ケアで食支援を 「介護の日」で講演
11月11日の「介護の日」をより多くの人に知ってもらおうと、和歌山県老人福祉施設協議会(小林隆弘会長)は16日、和歌山市のホテルアバローム紀の国で介護の日オープンフォーラム「みんなで考えよう、介護のこと~付き合おう、あなたのそばの認知症~」を開催。一般や高齢者医療・介護・福祉関係者、行政関係者ら約300人が参加した。
ことしで5回目の開催。開会にあたって、小林会長は「認知症の人が穏やかに安心して暮らすには正しい介護が大切。改めて考える機会にしてほしい」とあいさつ。
ことしは認知症支援として、生活の中心を占める食の関係をテーマに食のQOL(生活の質)を高めるためのアプローチや対応について、藤原歯科医院(同市北新戎ノ丁)の藤原修志院長が「食支援~安全に口から食べるために~」をテーマに講演。認知症患者の口腔ケアについて話し、「認知症患者もしっかりと感情を持っているので最初の接し方が大切。アイコンタクトを取りながら察したり、やわらかくタッチしたりして信頼してもらうことが重要」と強調した。
口や舌を鍛えることが口の機能を高め、健康寿命の延伸につながるとし、「口の中を清潔な状態にし、潤いを保つこと。日頃から舌の状態を確認し、口腔トレーニング機器を使って舌や頬などをストレッチすることが大切」と話した。
また、タレントの西川きよしさんの妻のヘレンさんが「泣いて笑ってみおくって大家族の多重介護」と題して講演。自らが多重介護をした経験から介護についての接し方などを紹介した。
劇団スターチスによる寸劇「入れ歯を無くしてしまうお祖母ちゃん」もあった。