IR是非など巡り支持訴え 知事選終盤戦へ
任期満了に伴う和歌山県知事選は25日、投開票を迎える。4選を目指す現職・仁坂吉伸候補(68)=無所属、自民、国民民主、公明、社民の各党県組織推薦=と、「市民オンブズマンわかやま」事務局長の新人・畑中正好候補(66)=無所属、共産推薦=の両候補が終盤の支持拡大にしのぎを削っている。3期12年の仁坂県政への県民の評価が下る17日間の選挙戦も残すところあと3日。最後まで訴えに力を込める。
今回の選挙は、現県政の継続を支持するのかどうか、さらに、カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致の是非を最大の争点に、人口減少、医療福祉、防災などの対策が問われている。
仁坂候補は4党の県組織や約300の企業・団体から推薦を受け、組織力と実績を武器に選挙戦を展開。IRの誘致による経済活性化や子育て支援、防災対策、交通ネットワークの整備などを訴える。選挙カーでの活動や団体回りなどで支持を求め、告示日の翌日から欠かさず開催する個人演説会で実績や政策などを説明している。
仁坂候補は「『頑張れ』と言ってくれるので機嫌よくできている」と手応えを感じている一方で、「『あんたは大丈夫やな』という人も多い。選挙に行ってくれないのは困る」とし、「今までの実績と今後の政策を支持していただけていると思う」と話す。
畑中候補は共産党の推薦を受け、県全域をくまなく巡回する地道な活動で支持拡大を図る。すさみ町や田辺市ではミニ集会を開き、街頭演説では弁士に共産党の国会議員を迎え、多いときには一日15カ所で実施。IR誘致反対や医療福祉の充実、子育て対策などの政策を訴え、仁坂県政に対する批判票や浮動票の取り込みを目指す。
畑中候補は「最大の争点はカジノ。IRに批判的な意見は確かにある。『負けるな』と握手を求められ、励みになっている」と語る。残りの期間も、IRがもたらすと考える悪影響などを訴える姿勢を貫き、「県民の命と暮らしを守りたい」と意気込む。