砂国の聖誕祭 劇団ノスタルジア2日に公演

劇団ノスタルジアの第17回公演「砂国の聖誕祭―SAKOKU NOMERRYCHRISTMAS」が12月2日、和歌山県和歌山市の県民文化会館小ホールで行われる。幻の青いチョウを求めて繰り広げられるファンタジー作品で、メンバーは「平成最後のクリスマス、劇団ノスタルジアから最高の贈り物を客席にお届けします」と意気込んでいる。

物語の舞台は、高い壁に囲まれた砂漠の国。「見た者は幸せになる」という幻の青いチョウを求め、それぞれに秘密を抱えた人々の思惑が交錯する群像劇。

同劇団はオリジナル作品のみを上演。今回も脚本・演出とも劇団を主宰する岡崎義章さんが担当する。1人が何役もこなす場合が多いが、今回は珍しく1人1役。岡崎さんは「絶望と希望がないまぜになった世界を描いた。笑えてどこか切なく、ラストに号泣するような、心揺さぶられるような作品になると思う。ノスタルジアの代表作、一つの到達点にもなるのでは」と自信をのぞかせる。

全身を使って表現するオープニングの「人間プロジェクションマッピング」も見どころ。今回は特にそれぞれのキャストの人物像を丁寧に描写したといい、悲喜こもごもの人間模様が緻密なせりふを通して描かれる。

舞台転換もステージングとして見せる新しい試みもあり、「音楽の多様性や、舞台と音楽の融合、転換の斬新さなどを楽しんでほしい」と話す。

公演に向け、稽古も大詰め。閉ざされた国で暮らす少女ナタリー役を演じる山下夢乃さんは「随所に見どころのある舞台。お客さんそれぞれがきっと、役者に気持ちを入れて見てもらえるはず。日常を見つめ直し、幸せやチョウの持つ意味を考えてもらう機会になれば」と意気込んでいる。

午後1時半から、5時半からの2回公演。前売り一般2000円、中高生1000円(当日は各500円増)。県民文化会館や和歌山市民会館などで取り扱っている。

公演に向け熱の入った稽古を重ねる団員たち

公演に向け熱の入った稽古を重ねる団員たち