加太菜園が解散 相次いだ台風被害で再開断念
カゴメ㈱の連結対象子会社で、台風の影響で操業を停止していた加太菜園㈱(和歌山県和歌山市加太、羽月政裕代表取締役社長)が11月30日、解散した。同日の臨時株主総会で決定した。
加太菜園は2004年に設立し、年間約2000㌧の生鮮トマトを養液栽培で生産。収穫されるトマトの約7割がカゴメを通して西日本で販売され、残りは県内のスーパーで販売されている。
カゴメ広報グループによると、8月23日の台風20号、9月4日の同21号の影響で、ガラス温室のガラスや屋根部分が大きく損傷したという。相次ぐ台風の発生で修復作業が間に合わず、温室内に暴風が吹き込み、養液栽培に必要な貯水タンクも倒壊。8月に定植した15万株の苗は栽培不能となり、操業を停止した。事業再開や継続の可能性を検討したが、多額の再投資と時間を要するため、再開不可能と判断した。
操業停止後、アルバイトやパート約130人の雇用契約を終了。従業員35人は現地の撤収作業などのため来年3月まで雇用を継続する。損失は現在調査中で、カゴメブランドの生鮮トマトの減少分は、他の菜園からの調達で対応する。
同社は「再開できず断腸の思い。設立以来、事業を続けてこられたのは地域、従業員の皆さんのおかげ。協力していただいた方に感謝している」と話している。