日本IWC脱退表明 7月に商業捕鯨再開へ
政府は26日、クジラ資源の管理を担う国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を正式に表明した。来年7月から、日本の領海や排他的経済水域で商業捕鯨を再開する方針。
IWCは1948年に発足した国際機関で、82年、資源保護を理由に商業捕鯨の一時中止(モラトリアム)を決定。日本は異議を申し立てたが、88年から商業捕鯨を中断。科学的調査を目的とする調査捕鯨を南極海域で行ってきた。
和歌山県内では、IWCの規制対象外である小型鯨類の追い込み漁が太地町で行われているが、漁を批判的に描いたドキュメンタリー映画『ザ・コーブ』を機に反捕鯨国や団体の批判にさらされてきた。
日本はことし9月のIWC総会で、資源量が豊富な種類の商業捕鯨再開を提案したが、反捕鯨国側は「いかなる捕鯨も認めない」と宣言し、反対多数で否決。総会に出席した谷合正明農林水産副大臣(当時)は「あらゆる選択肢を精査せざるをえない」と発言し、IWCからの脱退の可能性に言及していた。
菅義偉官房長官は26日、鯨資源の持続的な利用と保護の立場の共存が不可能であることが改めて明らかになったとし、脱退に至る理由を説明した。