初春の未明に獅子舞 藤白神社で伝統の披露
2019年が明けた1日午前0時すぎ、和歌山県海南市の藤白神社(吉田昌生宮司)で新年を祝う獅子舞が奉納された。かがり火が照らす境内で伝統の演舞が披露され、参拝者は冷え込みの厳しい中、厄よけの温かいそばを味わいながら、厳かに新春を迎えた。
大みそかの午後11時半ごろから近隣住民らが集まり始め、年明けの瞬間が訪れると一斉に歓喜の声が上がり、市内外から訪れた写真愛好家らは、獅子舞の勇姿を収めようと、境内でカメラを構えて舞の開始を待った。
藤白の獅子舞は県の無形民俗文化財に指定されており、保存会のメンバーは、獅子が蝶や花とたわむれ、天狗面の猿田彦命とじゃれ合うのどかな情景を舞で表現した。
境内には総代10人による厄よけそばの出店が設けられ、参拝を終えた住民らは次々と温かいそばを求めていた。
そばつゆの準備をした川幡敏次さん(66)は「かぼすを効かせて奥深い味わいに仕上げました」と笑顔。味わった60代女性は「冷えた体が温まっておいしいです。年をまたぐお参りは習慣で、子どもたちの健康が願いです」と話していた。