210段踏みしめて 紀三井福開き速駈詣り
西国三十三所2番札所・紀三井寺(和歌山県和歌山市)の急な石段を駆け上がり、一年の無事を願って参拝する「速駈詣り(はやがけまいり)」が14日に行われ、13歳から68歳までの男女121人が頂上までのタイムを競った。
敬遠されがちな急傾斜の石段をPRしようと、社会人を中心につくるランニングチーム「汗濁(あせだく)大学アスリートクラブ」と同寺が共催。昨年に続いて2度目となった。
石段231段のうち、楼門から頂上までの210段を使用。参道の片側を2人一組でスタートし、ふんどし姿や、かぶりものを身に着けて挑戦する参加者もいた。一段飛ばしで勢いよく駆け上がる人、一歩一歩着実に歩みを進める人など、さまざま。周囲からは「自分との闘い」「ラストスパート」などと声援が飛び、頂上到着時には大きな拍手が送られた。
男性最速の「福結び速駈王」は滋賀県大津市に住む大学職員、佐々木竜一さん(31)で25秒65。同じく女性「福結び速駈姫」は紀の川市の公務員、坂口多加代さん(40)で57秒23。ともに昨年に続く2連覇となった。
陸上部に所属する紀の川市の打田中学1年の清家聡一朗君(13)は親子で初参加。「最後は足がパンパンになって、きつかった」と話し、父親の真也さん(44)は「きょうのために2カ月前からトレーニングを積んできました。来年以降も参加し、息子にはぜひ僕の記録を超えてもらいたいですね」と笑顔だった。
同クラブの代表、平川太一さん(45)は「和歌山を代表する催しになれば。ランナー以外の一般の方にも、もっと挑戦してもらいたい」と話していた。