意欲的な演目で 10日市響・合唱団演奏会

 和歌山市交響楽団・市響合唱団の第44回演奏会が10日に迫り、団員の練習は大詰めを迎えている。オーケストラによる県内での演奏は初という混声合唱曲『楽譜を開けば野原に風が吹く』や、トロンボーン協奏曲など意欲的なプログラムが並んでおり、多くの市民、音楽ファンらの来場を呼び掛けている。

 市響合唱団が歌う『楽譜を開けば野原に風が吹く』は、気鋭の作曲家・信長貴富さんの曲、和合亮一さんの詩による2017年の作品。タイトルの通り、音楽と詩が風のように広がっていく曲想で、同合唱団を指導する髙瀬優佳さんは「壮大で、しかも皆が口ずさんでいけるような作品です。歌い続けていきたい曲に出合えたと思っています」と団員たちの意気込みを話す。

 合唱団が参加するもう一曲は『ふるさとの四季』。「うさぎ追いし かの山…」の歌詞で日本中に知られる『故郷』を初めと終わりに配し、『春の小川』『夏は来ぬ』『紅葉』『雪』など郷愁を誘う四季折々の唱歌10曲がメドレーになっている。

 3日には本番の会場の市民会館大ホールでオーケストラとの練習に臨んだ。指揮者の江田司さんは、詩に込められた情感の表現やテンポなどをアドバイスしたが、「もっと自分たちで音楽してください。指揮に合わせて歌うだけでは楽しくないですよ」と呼び掛け、団員の自主性を促していた。

 管弦楽の注目のプログラムの一つはアンリ・トマジ作曲の『トロンボーンとオーケストラのための協奏曲』。市響楽団員で市立岡崎小学校校長の岩本浩志さんがソロを務め、演奏される機会の少ない難曲に挑む。

 この他、久保美雪さんのソプラノ独唱と共に送るヨハン・シュトラウス2世『春の声』、バーバー『弦楽のためのアダージョ』、貴志・東和・日進・明和の市内4中学校合同合唱団による『花は咲く』『群青』が演奏される。

 演奏会は午後2時から、伝法橋南ノ丁の市民会館大ホールで開演。入場料は1000円(学生500円)。未就学児は無料で、母子室を利用できる。

 チケットは同館(℡073・432・1212)で取り扱っている。

本番に向け練習に熱が入る和歌山市交響楽団・市響合唱団

本番に向け練習に熱が入る和歌山市交響楽団・市響合唱団