特殊詐欺を防止 県警コンビニ2店に感謝状

昨年中に複数の特殊詐欺被害を未然に防いだとして、県警は6日、いずれも和歌山市のローソン和歌山西高松一丁目店のオーナー小川太さん(53)とセブン‐イレブン和歌山黒田店のオーナー沖殿盛紀さん(64)に、檜垣重臣本部長から感謝状を贈呈した。

同ローソンは3件の詐欺を防いだ。うち2件は有料サイトの登録料や退会料などの架空請求で、いずれも高齢男性が高額な電子マネーを購入しようとしていたため声を掛け、詐欺だと見抜いた。

もう1件は昨年5月14日、犯人と思われる男から店に「今から母が孫の留学の小遣いとして30万円分のプリペイドカードを買いに行くが、怪しくないので売ってください」との内容の電話が東京からかかってきた。対応した従業員は不審に思い店長に連絡。その後、市内に住む80代女性が来店したため詳しく事情を聞いたところ、「孫はいない」など電話の話と食い違っていたことから、店長がオーナーの小川さんに連絡し、詐欺の可能性が高いと判断して警察に通報した。

同セブン‐イレブンでは2件の詐欺被害を防止した。いずれも有料サイトの登録料を名目に電子マネーを購入させようとする典型的な手口の一つだった。

電子マネーを利用した特殊詐欺は県内で昨年4件確認され、471万4980円の被害が報告されている。コンビニエンスストア店員による被害の未然阻止は8件(182万円相当)で、コンビニが被害の拡大防止に果たしている貢献度は高い。

ローソンでは各店舗で月1回、防犯ミーティングを開き、従業員全体で特殊詐欺などについての知識や情報を共有する取り組みを行っている。セブン‐イレブン・ジャパンでは年に4回、オーナーが集まる勉強会を開いており、警察官を招いて過去の犯罪事例の説明などを受け、防犯意識を高めている。

感謝状を受け取った小川さんは「これからも従業員一人ひとりの防犯意識を高め、店全体で地域のお年寄りや子どもたちを守っていきたい」、沖殿さんは「当たり前のことをしてこのような賞状を頂き感無量です。これからも弱い者いじめをなくし、安全・安心のまちづくりに協力したい」と意気込みを語った。

檜垣本部長㊥から感謝状を贈られた沖殿さん㊧と小川さん

檜垣本部長㊥から感謝状を贈られた沖殿さん㊧と小川さん