全ての女性に輝きを マナー講師の本田さん

テーブルマナーや、美しい立ち居振る舞い・教養を身に付ける「フィニッシング」が近年、自分磨きを目指す女性から注目されている。和歌山県岩出市森で総合美容サロンを開き、マナー講師としても活躍する本田奈巳さん(35)は、礼儀作法といった堅苦しいものでなく、コミュニケーション術を含め内面と外面の美しさを磨く女性をサポート。「決して特別な場所だけのものでなく、一度身に付けば日常でも生かせ、一生使えるもの。女性が輝けるよう、自信を後押ししたい」と笑顔で話している。

「ティーカップは片手、3本の指で美しくつまむように」「あごを上げず、カップの方を傾けるようにして飲むとエレガントに見えます」――。

先日開かれたアフタヌーンティーのマナーレッスン。本田さんは椅子の座り方から食事の順序、いただき方、基本的な歴史の他、マナー本には載っていないような実践的な所作、好感を持たれる社交術を手ほどきし、参加者は優雅なひとときを楽しんだ。

本田さんは和歌山信愛高校を卒業後、武庫川女子大学で学んだ。これまでに着付や茶道、華道を身に付け、日本舞踊や合気道など日本文化に幅広く親しんできた。

エステティシャンの資格取得後、2010年に同市にエステティックサロンKoKoをオープン。外面内面ともに洗練された品格美に着目するようになり、大阪の「ルミナスフィニッシングスクール」に通い、美しい立ち居振る舞いや大人の品格マナー、アフタヌーンティーマナー、テーブルマナーの講師養成コースを修了し、トータルフィニッシングのマナー講師の資格を取得した。昨年からはフィニッシングを取り入れ、ビューティーサロンとして改店。現在は和歌山や大阪、兵庫を中心に講習会で講師を務めている。

「特にフィニッシングは自己の可能性を高めてくれるもの。振る舞いが変われば、周囲から信頼を得られます。他者への丁寧な心遣いは、自身の心の豊かさにもつながります」と本田さん。

レッスンの参加者は30代から40代の女性が多い。テーブルマナーの内容は、和食懐石料理からフランス料理、アフタヌーンティーまで幅広い。堅苦しくなく、食事を楽しみながら参加者も気軽に質問するなど和やかな雰囲気。知っていると便利な雑学、国によってマナーも違うことなどを紹介し、国際的な感覚も自然と身に付く。

本田さんが大切にするのは、その人の個性。これまで、さまざまな作法を身に付ける中で「マナーとは一部のセレブリティだけのものでなく、本来もっと日常に根付いたものでは」との思いもあったという。

マナーの基本は会話だとし「いくらマナーが完璧でも、コミュニケーションがぎこちなくては台無し。『こうしなければいけない』というものではありません。形式よりも、心遣いを大切にしたいですね」。

女性のライフスタイルが多様化する中、年齢や職種、立場に関係なく自分に自信を持ってもらい、一歩を踏み出す女性の背中を押したいという。「マナーは習わなくても生きていけるものですが、知っておくだけで自分の価値を高められます。美しい所作や立ち居振る舞いを身に付けることで、日常を丁寧に過ごすことにもつながればうれしいです」と話している。

5月9日午前11時半から、オテル・ド・ヨシノ(和歌山市手平)で「シャンソンと楽しむフランス料理マナーレッスン」を開く。1万5000円。問い合わせは本田さん(℡0736・67・7319)。

アフタヌーンティーのマナーを紹介する本田さん

アフタヌーンティーのマナーを紹介する本田さん