菓子と笑顔を交換 だがしの日に園児に贈る
日本記念日協会が認定する「だがしの日」の12日、菓子発祥の地とされる和歌山県海南市の公立幼稚園7園の園児287人に駄菓子がプレゼントされた。市民グループ「鱧の街・菓子の街海南プロジェクト実行委員会」のお菓子グループ(野田智也代表)が企画し、メンバーが2園を訪問。読み聞かせや菓子に関するクイズなども行い、園児と交流した。
同市下津町には「菓子の神様」田道間守(たぢまもり)を祭る橘本神社があり、田道間守の命日とされる3月12日を記念日にしようと、前山和範宮司の提案をきっかけに、全国の駄菓子メーカーなどでつくる「DAGASHIで世界を笑顔にする会」が登録し、認定された。
同会は「だがしの日」を「だがしと笑顔の交換日」と位置付け、子どもたちに駄菓子を贈って笑顔になってもらう活動を続けており、ことしで4回目。今回は全国15カ所で開催し、海南市は初めて参加した。
野田代表らお菓子グループのメンバー6人は、メーカーから提供された約4000個の菓子を1人分ずつ袋に分け、大野幼稚園(園児54人)と下津幼稚園(10人)を訪問。紙芝居などを通じて、大陸から伝来した橘の木が下津町に初めて植えられ、菓子の起源となったとされることや、菓子が争いを収めるきっかけにもなることなどを園児に話した。プレゼントの菓子を手渡すと、園児はにっこりと愛らしい表情で受け取った。
故郷に誇りを持ってもらいたいと、野田代表らは、この日学んだことを再度質問。園児らは、菓子の起源とされるかんきつ類の名前を「たちばな!」などと大きな声で答えた。
訪問には、田道間守の飼い猫をイメージしたキャラクター「海(かい)ニャン」も登場し、園児は大はしゃぎで、握手をしたり抱きついたりしていた。
園児を代表して大野幼稚園の岩﨑美月ちゃん(6)は「みんなが笑顔になってうれしかったです」と感謝のあいさつ。野田代表は「田道間守と橘のことをずっと覚えていてほしい。海南市内の全園を回れるよう、活動を継続したい」、同園の西村充司園長は「各地でイベントが開催されている中、菓子発祥の地として全国一、盛り上がったらいいと思う」と話していた。