現在地や到着情報 和歌山バスが新システム
和歌山バス㈱(和歌山県和歌山市和歌浦西、久保洋介社長)は4月1日の始発便から、スマートフォンなどで乗りたいバスの現在位置や到着情報を確認できるバスロケーションシステムを導入する。県内の路線では初めての試みで、路線バスの利用向上が期待される。
路線バスは一般道を走行するため、天候や渋滞、事故などの影響で定時性を確保できないことがあり、利用者に不安を与えることも多かった。システムの導入により、リアルタイムで運行情報が確認でき、バス待ちのストレス軽減なども期待される。
提供路線は高速バスなど一部路線を除く同社運行の全路線(主に和歌山市)。バス停に掲示のQRコードをスマートフォンや携帯電話で読み取ると、現在の運行状況が表示される。専用のWEBサイト(https://loc.bus-vision.jp/wakayama/view/searchStop.html)にアクセスすれば、自宅パソコンなどからも確認が可能。外国人観光客向けに英語版のWEBサイトも同日、同時オープンする。
またJR和歌山駅構内や和歌山マリーナシティ黒潮市場内、県立医科大学付属病院内の3カ所に液晶大型ディスプレイを設置。4カ国語に対応し、スマートフォンなどがなくても運行情報の確認ができる。
総事業費は8000万円。国や県、市が3分の2を負担する。またスマートフォン専用アプリケーションを4月1日から提供開始。今後は、全国共通のICカードの導入や大型ディスプレイの設置場所の拡大を予定している。
同社営業課は「利用者の負担が軽減し、スケジュールも立てやすくなる。より多くの人に使ってもらいたい」とし、県総合交通政策課は「利便性の向上へ導入路線を拡大していきたい。今後も事業者と協議していく」と話している。