核廃絶へ被爆者が署名 6月に推進組織立ち上げ

 「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名(ヒバクシャ国際署名)」の運動を広めようと活動している和歌山県内の関係者らが1日、県庁で記者会見し、核兵器廃絶の理念に賛同する県内のさまざまな団体や個人で構成する運動推進組織を、6月に立ち上げると発表した。

 同運動は被爆者自らによる署名運動で2016年春にスタート。関係者によると、県内でもすでに約3万3000筆の署名が集まっているという。各都道府県で運動推進組織の設立が進められている。

 この日は、県民主医療機関連合会の藤沢衛事務局長と核戦争防止県医師の会の松井和夫運営委員らが出席。県内在住の被爆者5人が呼び掛け人に名を連ねていることや、6月に組織を立ち上げ、学習会の開催や街頭での署名の呼び掛けなどを通じて、核兵器廃絶に賛同する人を増やしていく考えを示した。

 松井運営委員は2017年7月に国連で核兵器禁止条約が採択されたことにふれ、「条約に背を向けている国があり核兵器廃絶への闘いは厳しい」とし、同条約の発効に50カ国の批准が必要で、現在22カ国が批准していることを説明。「署名は核保有国への大きな圧力となる。世論を喚起していきたい」と決意を述べた。

会見する藤沢事務局長㊧と松井運営委員

会見する藤沢事務局長㊧と松井運営委員