関西と湖北省が交流 中日友好宣言を採択

中華人民共和国の中央部に位置する湖北省と日本の関西地区が親交を深め、互いの経済発展を目指す「日本関西地区『対話湖北』交流イベント」(湖北省政府主催)が7月31日から8月4日まで、同省都の武漢市を中心に開かれた。参加した政治、経済、産業、教育、メディアなど各界の関係者ら約300人は、現地視察や意見交換を通じて互いの信頼関係を深め、今後の協力関係の礎を築いた。

同イベントは2018年7月に始まった、両国の地方都市が交流を図る「対話地方シリーズ」の一環。李天然中国駐大阪大使級総領事が西日本各地を視察する中、中日関係の改善を望む民間の声の高まりを感じ「地域同士の対話が必要」と、開催実現に向け尽力した。

一行は滞在期間中、各分野別ごとに新技術開発区や日商産業園、博物館、武漢大学、テレビ局などを訪問し最新情報などを交換。多くの湖にハスの花が咲く美しいまちや、中国の戦国時代の歴史書で日本でも人気の高い『三国志』ゆかりの地なども視察し、豊かな自然や文化への理解を深めた。

2日には武漢東湖国際会議センター「長江庁」で参加者全員による友好交流大会が開会。「中日友好湖北宣言」が採択され、自動車部品や電子機器、医薬品、貿易など産業の各分野の他、友好団体の代表者らが調印を交わした。

続いて同省の武漢、襄陽、宜昌、荊門、十堰の各市と大阪府、大阪市、兵庫県、神戸市がプレゼンテーションを行い、アクセスの良さや市場の大きさ、製造技術や大学の研究内容など、それぞれのポテンシャル(潜在能力)の高さをPRした。

さらに一行は、アジアで最長、世界で第3位の大河、長江のクルージングを楽しみ、祝賀の意を示す沿岸部での華やかなプロジェクションマッピングの演出で、盛大な歓迎を受けた。

武漢市は人口約1000万人の商業都市で、2018年の同市国内総生産(GDP)は前年比8・0%増。古来より軍事上の要衝であったことから、紀元前5世紀から同221年までの中国戦国時代初期の埋蔵品が多く出土し、国宝の青銅の鐘などが同省博物館に収蔵されている。

「中日友好湖北宣言」を採択

「中日友好湖北宣言」を採択