農業で共に発展 紀の川市がベトナムへ視察団
和歌山県紀の川市の中村愼司市長を団長とする視察団が、27日からベトナムを訪問している。6月末に同国のフック首相ら政府要人が紀の川市の平池緑地公園を訪れ、ハスの観賞交流で友好を深めたことに対し「地域間で相互の交流を」と、農業や観光分野で関係深化を図るもの。一行は農業関連施設などを視察し、自治体関係者と意見交換。31日に帰国する予定。
一行は同市の農業や観光に携わる職員やJA紀の里の幹部職員、同国とのビジネス交流に関心のある県内民間事業者(田辺市)など約20人。本紙記者も随行している。
27日午前に関西国際空港を出発し、同国中部のダナン空港に到着した後、ダナン市の南に隣接するクアンナム省で、歴史的街並みで知られるホイアンの郊外にある農村を視察。
15㌶で25種類の野菜を栽培し、市場での販売は農業協同組合が一手に引き受けていることなどについて説明を受けた。一行は農場見学やホームステイなどを積極的に受け入れていることに関心を示していた。
同省では省幹部と意見を交換。ディン・ヴァン・トゥー人民委員長は「お迎えすることができてうれしい。紀の川市は農業が強いと聞いている。付加価値の高い農産物の生産でも交流できたら」とあいさつ。
中村市長は「早くベトナムを訪れたいと思っていた。やっと実現した。紀の川市は人口6万5000人の小さい市だが、多くの果樹が採れる。一度クアンナム省の皆さんに農業の実態を見にお越しいただけたら」と呼び掛け、市職員らは市で生産されている果物について詳しく説明した。
28日は同省のグアバを栽培する農園を視察し、ダナン市内の千葉県南房総市による支援で作られた野菜直売所を視察した。