「金芽米」が輸出米の主力に 東洋ライス

独自の精米技術で業界をリードする東洋ライス㈱(東京本社=中央区銀座、和歌山本社=和歌山県和歌山市黒田・雜賀慶二社長)が開発した「金芽米」「金芽ロウカット玄米」が、輸出される日本米の中で販売実績を伸ばす主力商品として注目されている。日本の輸出信用機関である独立行政法人日本貿易保険(NEXI)の年次報告書で、主な引受プロジェクトとして商品名が紹介されている。

同2種の商品は高栄養で洗わずに炊飯できる無洗米で、2013年から先に開発された「金芽米」、15年からは「金芽ロウカット玄米」の輸出を商社を通じて開始。海外の健康志向が高まる中、同社は順次輸出量を増やし、18年4月にはNEXIと保険契約を交わし、直接的な海外取り引きを始めた。

日本政府は17年9月、海外への米輸出量を19年に10万トンにするとの目標を掲げたが、ことし1~6月の輸出量は前年同期比12%増で、この伸び率が続いても輸出量は3・6万トンにとどまる見込み。

日本の米が現状の高い価格での輸出拡大の難しさに直面する中、同商品は現在、10カ国にまで輸出先を拡大し出荷量は前年度比272%。

農林水産省がまとめた「農林水産業の輸出力強化戦略」の中で「幅広い輸出ターゲットに向け商品・売り方を多様化する」との項目中、具体的な施策として「機能成分を売りにした高付加価値商品の販売促進(金芽米等)」との記載があり、注目商品であることが示されている。

同社は「今後も貿易保険を活用して輸出を拡大し、『金芽米』の日本産米のフラッグシップ(主力商品)としての地位を固めていきたい」としている。

金芽米の海外輸出向けパッケージ

金芽米の海外輸出向けパッケージ