国際博物館会議に県ブース 仏像レプリカを紹介

日本初開催の国際博物館会議(ICOM)京都大会が1日に開幕。和歌山県は2~4日、世界の博物館関係者が訪れるメイン会場の国立京都国際会館(京都市)にブースを出展し、3Dプリンターによる仏像レプリカの制作など、県内の先進的な取り組みを紹介している。

ICOMは世界138カ国・地域の博物館関係者約4万4500人が会員となっている国際組織。専門分野ごとに30の国際委員会があり、3年に1回、全ての委員会が一堂に会する世界大会を開いており、25回目の今回、初めて日本での開催となった。

今大会には141カ国・地域から3000人以上の博物館の専門家が来日。7日まで、メイン会場での講演やワークショップの他、近畿各地での視察などが予定されている。

県ブースでは、文化財の保全や盗難対策として、県立博物館が和歌山工業高校や和歌山大学と連携して制作している3Dプリンターによるレプリカ「お身代わり仏像」を設置し、取り組みの様子を映像で紹介する。視覚障害者用の触れる点字図録のサンプルも配布している。

大会期間中は県内でも関連行事が開かれる。5日は博物館教育に関わる研究者や大学院生ら約110人が来県。和歌山市の県立紀伊風土記の丘を見学し、県立近代美術館・博物館では、災害の記憶を共有化する取り組みなどについて意見交換する。ランチタイムセッションには浮島智子文部科学副大臣らが出席し、昨年の「世界津波の日」高校生サミットに参加した県内高校生の活動発表がある。

8日午後1時からは、大会開催記念イベントとして、和歌山市立博物館の玄関ホールで、孫市の会による雑賀鉄砲衆の火縄銃実演、黒潮躍虎太鼓保存会による和太鼓演奏も予定されている。

3Dプリンターで作られた「お身代わり仏像」の一例(県立博物館特別展で)

3Dプリンターで作られた「お身代わり仏像」の一例(県立博物館特別展で)