ミニクーパー大会で健闘 大谷さんと中澤さん
8月24、25日に静岡県の富士スピードウェイで開かれた日本最大級のクラシックミニのサーキットイベント「クラシック・ミニフェスティバル2019」に、和歌山県紀の川市の大谷泰博さん(42)と中澤清人さん(49)がオープンクラスに出場。大谷さんは初出場初優勝を果たし、中澤さんも7位と健闘した。2人は車を通じて出会い、切磋琢磨(せっさたくま)して高め合う関係。互いを良きライバルと認め合う2人の挑戦は、これからも続きそうだ。
同大会はことしで3回目。約60年前に設計されたクラシックミニクーパーを使用し、1周4・6㌔のコースを6周してタイムを競う。
大谷さんと中澤さんは、仕事だけでなくプライベートでも付き合いが深い間柄。約20年前に大谷さんが、同車を専門に扱う中澤さんの店で、1台のミニクーパーを購入したことがきっかけで知り合った。
15年前には今回優勝した同車の「大谷号」を中澤さんの店で購入し、中澤さんがレース仕様に車を改造。一見すると青色の小さくてかわいらしいボディだが、軽量化とエンジンのパワーアップで最高時速は180㌔と迫力抜群に仕上げた。
公私共に親交の深い2人だがレースとなると別。大谷さんは中澤さんについて「友達だけどレースではライバル。勝ちたい」、中澤さんは「大谷君とは仲良し。でもレースでは負けられない」と互いに意識し合う。
大会で初めて富士スピードウェイを走る大谷さんはレース前、「このコースはライン取りが難しい」と感じたといい、中澤さんは「簡単ではないがこれまでの走りができればいける」と信じて臨んだ。
「スタート前が一番緊張する。小学生のかけっこの気持ち」と2人。予選では中澤さんが2位、大谷さんが4位と決勝に弾みをつけた。
25日の決勝では中澤さんが首位でゴールしたが、フライングにより7位に降格。2位だった大谷さんが優勝となった。
大谷さんは「集中力を高めて、良いスタートが切れた。コースにも慣れてきてうまく走れた」と話すも胸中は複雑。「悔しさ半分、うれしさ半分。中澤さんは技術が高く普段はミスが少ないのが強いところ。ライバルなので次は自力で勝ちたい」と意気込んでいる。
中澤さんは「優勝できなかったのは悔しいが、大谷君が優勝したから良かった。次は僕が勝ってワンツー・フィニッシュしたい」とリベンジを誓った。
ミニクーパーの魅力について大谷さんは「コーナーをうまく曲がれると快感。ミニって遅そうに見えるけど以外に速い。小さい車体とのギャップが面白い」、中澤さんは「小さくて形もおしゃれ。これでも速いのだからかっこいい」と語る。
2人は11月に姫路市のセントラルサーキットで開かれるレース「ミニジャック」にも出場し、競い合う。