お城前に新駐車場 市役所北に20年度完成
和歌山県和歌山市は、九番丁に「(仮称)市営北駐車場」を整備し、新市民会館の建設などに伴い増加が見込まれる周辺の駐車場需要に対応する。1階には店舗スペースも設け、まちなかのにぎわい創出への貢献も図る。開会中の9月市議会に工事費6822万円を含む2019年度一般会計補正予算案を提出しており、20年度中の完成を目指している。
建設予定地は、旧市役所北駐車場と和歌山行政評価事務所の跡地を合わせた1918・4平方㍍。4層5段の立体駐車場とし、四輪212台、二輪約60台のスペースを確保する。
和歌山城や市役所周辺の公営駐車場の収容台数は、市役所に隣接する市営中央駐車場が564台、和歌山城公園駐車場が58台。旧市役所北駐車場が昨年11月1日に閉鎖され、大規模イベント開催時などは周辺の駐車スペースが不足しがちとなっている。
今後、伏虎中学校跡地に21年4月、県立医科大学薬学部が開設し、同年秋に新市民会館も開館を予定しており、周辺の人出が増え、駐車場の需要も大きく増加が見込まれる。
さらに、新しい駐車場が面する市道中橋線は、本願寺鷺森別院付近から和歌山城へと一直線につながり、城への主要な移動経路となっていることから、新駐車場1階の市道沿いには飲食店などを想定した店舗スペースを設置。城や市民会館など周辺を訪れた人が利用できる、にぎわいの空間創出を目指している。
駐車場は完成後、指定管理者が管理・運営を担う予定。整備関連費用は6822万円の他、20年度の債務負担行為として9億8098万3000円も9月市議会の補正予算案に計上している。
尾花正啓市長は「市道中橋線を、和歌山城や市民会館への導線としたい。店舗スペースを活用して、食べ歩きなどを楽しめるようにできたらいい」と話している。