積極対応でいじめ認知増 18年度学校調査
和歌山県内の公立学校で2018年度に認知されたいじめは5834件で、前年度より1534件増加し、いじめの解消率は2年連続全国1位の96・4%(全国平均84・3%)だったことが、17日に文部科学省が発表した調査結果で分かった。県教育委員会は「いじめアンケート後の面談などで、小さな変化も見逃さず、きめ細かく実態を把握したことにより認知件数が増加し、対応マニュアルの活用の徹底が防止や解消につながった」と分析している。
県内のいじめの件数は公立小学校で5329件(前年度比1454件増)、公立中学校で377件(同89件増)、公立高校で118件(同9件減)、特別支援学校で10件(同増減なし)。児童生徒1000人当たりの認知件数は国立、私立を含めて58・1件(全国平均40・9件)で、前年度より16・2件増えた。
いじめの内容は、からかいや悪口、仲間はずれ、集団による無視、軽くぶつかる、遊ぶふりをしてたたくなどが全ての校種で見られた。
県教委はいじめアンケートを徹底し、公立学校では100%実施。面談を行うなど児童生徒の実態把握に努めた結果、特に小学校低学年のいじめ認知件数が増加している。
不登校の児童生徒数は、公立小で262人(前年度比44人増)、公立中で751人(同47人増)、公立高で397人(同22人減)。小学校は主に中学年で新たな不登校児童が増え、中学校は、前年度から不登校が継続している生徒数がほぼ横ばいの一方、新たに不登校になった生徒が増加した。
公立高の中退者は317人(同79人減)、国立、私立を含めた中退率は1・3%となっている。
暴力行為の件数は公立中で393件(同42件増)と増加し、公立小は117件(同25件減)、公立高は52件(同20件減)に減少。内容は、生徒間暴力が347件で最も多く、次いで器物損壊が114件、対教師暴力が90件だった。
中学校での発生件数の増加について県教委は、「各学校で軽微な事案にも積極的に対応し、個々の生徒の状況を丁寧に見たため」としている。