古文書を虫干し 和大紀州研が作業公開

和歌山大学(和歌山県和歌山市栄谷)の紀州経済史文化史研究所で18、19の両日、所蔵史料を虫干しして台帳と照合する「曝涼会(ばくりょうかい)」が行われた。

同研究所では毎年年度末に古文書や考古史料などの照合と、虫干しを実施。「わかやま文化財の『匠』講座」の一環として初めて作業を一般公開した。

この日は江戸時代の村の年貢を記した免定や明治時代の伊勢講、宝積講の史料を含む「那賀郡猪垣 出雄家文書」と青銅器、土器などの考古史料を確認。学生ボランティアらが史料を取り出し、虫食いがないか文書を開きながら目録と照らし合わせて内容を確認していった。

初めて参加した教育学部1回生の井上舞優さん(19)は「学芸員資格を目指しているので、実際に触れてみたいと思って参加しました。触ってみると破れそうで怖いです。最近崩し字を学んだのでまだ読めないですが、漢字の方が読みやすいことに気付きました」と話していた。

19日には古典籍の内容も確認。県立紀伊風土記の丘学芸員の金澤舞さんによる考古学講座も開かれた。

繊細な文書史料を確認

繊細な文書史料を確認